ここもロクの小屋
66個目
すごーく寒いところに1時間くらい立ちっぱなしという目に遭いました
風邪が治りません……
でも日曜日はドンシャリ行くけども!
日曜日は更新がないかもしれませんが、ヅカ優先のこの身を許して。
とりあえず今日はヒカルの碁。
「あら」
道ばたで顔見知りに会った。
「お買い物?」
「ええ、今日は天気がいいでしょう? こんな日くらいは歩かないとと思って」
「私も、お医者さんから歩け歩けって言われて」
二人の主婦はそれぞれのふくらんだお腹に手をやって微笑んだ。
二人は家が近いこと、そして歳も近かったことから、親しいご近所づきあいをしていた。その上奇しくもほぼ同じ時期に子供を授かった。予定日は数ヶ月ずれているので、お腹の大きさは違うが、それでも同い年。学校では同級生となる。
一人はこれが初めての出産となるので、子育ての先輩であるご近所さんを頼りにしていた。
「最近、よくお腹を蹴られるんだけど」
「元気でよかったわね」
「元気どころかすごくやんちゃな子なんじゃないかと心配で」
「男の子だっけ?」
憂鬱そうにため息をこぼす相手の言葉をもう一方は苦笑気味に受ける。
初めての妊娠で神経質になっているのだろう。自分も通った道なのでわからなくもないし、自分もこんなだったのかもしれないけれど、大げさな口ぶりがやっぱりおかしかった。
「ええ、男の子。男の子って大変だって聞くから……」
「どっちも大変よ。でも、どんな子でもなんとかなるから」
先輩の鷹揚な言葉に、後輩も少し我に返ったのか、恥ずかしそうに笑みをこぼす。
「そうね、今から心配しても仕方がないわね」
気を取り直したようにきっぱりと言い切って、そして相手のお腹に視線を落とす。
「あなたのところは女の子だったかしら」
「多分ね。でも、こればかりは産んでみないとねえ」
案外診断がはずれることもあるみたいだからと、曖昧に笑う。
「うちはもう女の子がいるから、男の子もいいなあと思ってるんだけど」
「あら、いいじゃない。女の子」
羨ましいと言った直後に、でもと発言をひるがえす。
「ああ、でも男の子の方が、うちの子と仲良くしてくれるかしら」
同級生になるんだもんねえと、自分と相手のお腹に語りかける。
その姿に、もう一方がまぜかえした。
「すごくやんちゃな悪ガキ二人として有名になったりして」
「あら、やだ」
二人で声を上げて笑い転げる。
ひとしきり大笑いした後で、そうだと手を打つ。
「女の子なら、うちにお嫁に来てもらうことができるわね」
「ああ、それもいいわね」
元気で生まれてきてくれれば、結局はなんでもいいのだけど。
母二人は、我が子の姿をあれこれ思い描いていた。
「あの時の婚約がちゃんと成立して良かったわ」
その後、彼女達は自分の子供達にそんなことを言う機会を持った。
息子は不機嫌そうに顔をしかめ、娘の方はほんのりと顔を赤らめた。
真っ白な衣装に身をつつんだ子供達の姿に、二人の母は顔を合わせて満足そうに微笑んだのだった。
066 未来
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二人の誕生日ってどっちが早いのでしょうか