ここもロクの小屋
61個め
予定してなかったけど、そして今月お財布厳しいけど、ドンシャリ見に行きたーい。
まっつがめっちゃかっこいいとかそれもう行かなきゃダメでしょ。まっつの歌聞きたい歌聞きたい歌。
あ、ドンシャリってこれ↓のことです
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/265/index.shtml
まっつとは未涼亜希さんのことで、フェリペ2世役です。声にも佇まいにも色気があって、素敵なんですよね~(うっとり)。
お財布厳しいけど行っちゃおうかな。お金は使うために稼いでるんだも~ん。稼ぐ原動力のひとつがまっつだもん。よーし、行っちゃおう。行っちゃおう。
奇しくも小話のお題と似合う話題だわ。
たとえ心の底から憧れて、なりたくてついた職業であっても、楽しいことばかりではない。ときには気のすすまないこともある。
今のルナがそうだった。
できれば今日中にまとめて提出してしまいたい報告書があるのだが、これが少しばかり厄介な代物で、さっきからずっと端末の前に座って文字を打っているというのに、文章は遅々として進まなかった。
別に仕上げるのは今日じゃなくてもいいというのがまた、やる気の下がる要因だ。ただし、今日でなくてもいいが明日には出さなくてはならない。非常に悩ましい事態なのだった。
ルナは机の上に額を載せて、もーやだとつぶやいた。
「あとちょっとなんやろ? 明日は明日でいつもの仕事もあるんや。仕上げてしまったらええやんか」
ここ数時間の格闘を見物していたチャコが励まそうと声をかける。しかし、今のルナには逆効果だった。
「そんなことわかってるわよ」
わかっているけどできないのだと、すねてしまう。
ほほをふくらませてぶうぶうこぼす様子は、ルナの幼いころを知っているチャコには見慣れたものだ。一時期こういう姿を見なくて、成長したのかと思っていたが、最近また目に付くようになってきたのは何が影響しているのだろう。
ルナはもう完全にやる気を失ったようだった。椅子から落ちてしまいそうなほどだらしない姿勢でできないできないと繰り返す。
しゃーないなあとチャコは助け船を出してやることにした。
「ええこと教えたるわ。それ早う書いてしまった方がええと思うで」
「どうして?」
ルナは横着に視線だけをチャコに向けた。チャコは思わせぶりににやりと笑ってみせる。
「この前カオルが電話寄越したとき、ルナ、おらへんかったやろ?」
確かにその通りでルナは顔をしかめた。
実は「ルナがおらへんかった」のは、そのときだけじゃない。カオルが電話を寄越してもルナが出られなかった時の方がずっと多い。
宇宙を飛び回っているカオルがルナに電話できるときは限られている。それでもカオルはまめな性格でわりと頻繁に電話をくれるのだが、ルナが自分の部屋にいる時間は案外短く、二人はしょっちゅうすれ違っていた。
「そんときにな、次はいつごろ電話できるか聞いておいたんや」
思わずルナは体を起こし、椅子に座り直した。
思惑通り食いついてきたルナの様子に、チャコは内心ご満悦で、もう少し焦らしてやろうかとまで考えた。しかし、元々ルナのやる気を出すために持ち出した話題なので、ぐっとこらえる。ルナの機嫌を悪くしたのでは意味がない。
「それが明日やねん。あいつのことやから、必ずかけてくるで? でも明日のルナはその報告書仕上げなあかんし、仕上げたら提出に行かなあかんし、行けば色々言われるやろうし? きっとまた出られへんやろうなあ。まあでも安心しぃ。うちがちゃーんと事情を説明しといたるわ」
わざとらしい抑揚で、カオルもかわいそうになあと歌いあげるチャコを、ルナは無言でにらんだ。けれど、何も言わずに端末に向かい直し、カタカタと音を立てて報告を綴り出す。
チャコの態度はとても憎らしいし、チャコの目論見にまんまと乗せられるのもしゃくにさわる。でも、ここはおとなしく乗せられておくしかなかった。またすれ違うのは絶対に避けたい。
俄然やる気を見せだしたルナの姿に、チャコは満足そうにうなずいた。
ただ、これでもしカオルが電話をかけてこなかったら、明日のルナには恨まれるでは済まないことになる。
ま、あいつのことやし大丈夫やろ。
チャコは一ミリたりとも心配しなかった。
061 飴
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飴と鞭、の飴
私にとっての飴のひとつがまっつだということです。
飴もらえるなら、仕事がんばれるよね。飴がないとがんばれないよね。働く皆様、そうじゃありません?