ここもロクの小屋
65個目
今週は土曜日も出勤だわ~。
でも14日にREON行ってきたから、がんばれる。
18日にドンシャリ行くためにも、がんばる。
月半ば それにつけても 金の欲しさよ
お金は降ってこないので、働きますよ。えんやこら。
ハワードはスターだ。
さらにその際だった美貌と恵まれた生まれのおかげでロマンスのうわさには事欠かない。
もちろんそれらはうわさだ。根も葉もない無責任なうわさだ。
ハワードには心の底から大切にしているただ一人の恋人がいるのだから。
そしてその恋人はハワードの立場も状況もよく理解してくれている。だからゴシップ記事の一つや二つ出たところで二人の関係には何のひびも入らない。
けれどやっぱり彼女はハワードのことを心から愛してくれているので、自分以外の誰かとハワードの間にロマンスがうわさされると心穏やかではいられない。不安がったり、落ち込んだり、苛立ったり、腹を立てたりする。そうして彼女の我慢に限界が来て感情が爆発してしまったとき、ハワードは例えばこんなふうにする。
色々な人の連絡先を登録した通信端末を取り出して、登録された連絡先を彼女に見せる。そこには当然彼女のものもあるが、他の女性のものも数多く含まれている。それを見て鼻白む彼女の目の前で、その全てを消してみせるのだ。きれいさっぱり完全に真っ白に。
そうして驚く彼女の目の前で、今度は改めて登録し直す。たった一人彼女の連絡先だけを。
そのときに、メモなどを見てはいけない。何も確認せず、即座にというのが重要なのだ。
「ぼくには君一人がいてくれれば充分だから」
極上の笑みを添えて、一人しか登録のないアドレス帳を見せれば仲直りは完了だ。
「参考にしてくれてかまわないぜ」
得意げなハワードの押しつけがましい言葉に、仲間達は一様にうろんげな視線を向けた。
そんなのでごまかされてくれるとは思えないけどと、シンゴはハワードの恋人の顔を思い浮かべて肩をすくめた。ロマンスで彼女の機嫌が悪くなるというその時点からハワードの独り相撲に決まっている。
とても真似できないとベルは苦笑した。けれど、自分にロマンスのうわさが立つようなことはあり得ないし、そもそも参考にする必要がないなとのんびり考えた。
どうしていちいち連絡先を登録する必要があるのかとカオルは疑問に思った。完全に覚えているのだから、それでいいではないか。
ハワードの語りはいつだって熱を持っていたが、聞いている方がその熱を共有することはなかった。
065 暗記
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カオルは友達少ないからどっちにしても使えな……ごほごほ