ここもロクの小屋
64個目
なんとなく毎日更新できていますが、目次ページは毎日更新していません。一週間に一回くらいのペースでまとめてやっています。めんどくさくて(ダメ大人)。
いっそのこと、サイトは消してしまって全部ブログで更新ってことにしちゃえば楽なんですけど、でもねえ、ブログ式だとどうしても小話探しにくくなるじゃないですか。特にうちは数だけは馬鹿みたいにありますからねえ、やっぱり小話が一覧できるページ必要ですよねえ。そしてわかりやすいところにある方がいいですよねえ。とか考えるとそうもいかず。
だったら、毎日目次ページも更新しろってなもんですが、めんどくさくてねえ(エンドレス)
今日は乙女度強化月間小話ではありません。
演出家チャコは悩んでいた。
配役が決まり、通し稽古も済んだというのに、しかめ面で腕を組みうーんと低いうなり声を上げている。
残っているのは衣装合わせだけだった。だがその衣装が、納得のいくものに仕上がらないのだ。
主役二人は、実は既に終わっている。男女逆転の配役にもかかわらず、それぞれよく似合っていた。ヒーローとヒロインにふさわしい二人の姿に、チャコは満足していた。
問題なのは残った一人。悪役のベルだった。
体が大きいので悪役がいいだろうというのは本人の弁で、チャコもそれには同意した。しかし、いざその立場に置いてみると、いかんせんベルは人が良すぎた。体は大きいけれど、まとう雰囲気はあくまで柔和で、威圧感にはつながらないのだ。
とりあえず、マントを羽織らせて剣を持たせては見たものの、どうみてもいいとこ「お城の兵士A」である。とても悪いやつには見えない。
「どうしたもんかな~」
チャコは頭をひねった。
悪役といえばどんな風貌をしているだろうか。
「ひげ……」
「ハワードのかつらに全部使っちゃったよ」
「眼帯……」
「剣を扱うのだぞ? 視界をふさぐのは危険だ」
「傷跡……」
「どうやってつけるのさ。書くのか?」
「それや!」
チャコが指を鳴らした。
「それってどれ?」
大声に驚いたシャアラが目をぱちくりさせながら尋ねる。
「だから、描いたらええねん」
「傷跡を?」
「傷やなくても、なんでもええから恐くなるようにメイクすんねん。そのまんまやと、どーも迫力に欠けるからなあ」
「ちょっと、チャコったら」
遠慮のないチャコの言葉にシャアラは顔をしかめるが、ベルは苦笑するしかない。
「チャコの気の済むようにしてくれたらいいよ」
お花の園の妖精。初演の幕が上がるまで、あともう少し。
064 眼帯
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あの劇そのものが乙女の夢ってことで
ていうか、この場面が浮かんじゃったので、乙女創作をひねり出す気になれませんでした
乙女度強化月間一回休み。