ここもロクの小屋
やっぱりサヴァイヴ
人様のサヴァイヴ創作を読むと、すごいな~といつも感心させられます。
同じ素材を使っているのに、発想が全然違って刺激になります。
同時に、同じようなこと感じているんだなと思えることもあって、嬉しくなります。
私が書いているものも、誰かの刺激になっていればいいなあと思います。
さて、お題はようやく27個目
「あーっ。おいしい!」
この一杯のために生きてる。
とまではさすがに言わなかったものの、最初の一杯を飲み干したルナの嘆声が「あ」に濁点がつきそうなあまりといえばあまりなものだったので、シャアラは軽く吹き出した。
「もう、ルナったら。男の人みたいよ?」
「え~? そうかなあ」
「確かに。見事なものだった」
照れ笑いで頭をかいたルナに、メノリが端正な笑みをひらめかせた。その手にあるグラスはまだ中味が残っている。
「だぁって、仕事でくたくたになった後の一杯って気持ちいいんだもん」
「確かにな」
今日も大変だったんだからとルナが口をとがらせると、今度はメノリも同意した。
「そうでしょ? あー疲れたって帰ってきて、まずは一杯ぐいっといったら、今日もがんばったな~って気分になれるじゃない?」
「それはわかる。仕事の緊張がほぐれて、一息つける」
ねーっと二人してうなずきあう様子を、シャアラは軽く首をかしげて見た。
「そうなんだぁ。二人とも大変なお仕事だもんね」
自分にはわからないとその眉が寂しそうに下がっている。
「シャアラだって、大変なお仕事じゃない」
「そんなことないわ。二人に比べたら全然」
「いや、充分立派だと思う。ただ、シャアラは自宅での仕事だから、帰ってきて一息という感覚がわからないだけなんじゃないのか?」
「そっか。そうよね。シャアラはずっとおうちにいるから……。あ、ねえ。じゃあ、シャアラはどういうときに疲れがふっとぶーって思う?」
「え? そうねえ。やっぱり感想のお手紙をもらったときかしら」
この間の新作の感想を今日もらったのだと、その顔が柔らかくほころんだ。
「本がね、出版されたときももちろん嬉しいんだけど、読んでくれた人がちゃんといるんだってわかるから、感想をもらえると本当に嬉しいの。ああ、ちゃんとした仕事ができてるって気持ちにもなれるし」
「それもわかる!」
ルナが声を弾ませた。
「仕事の成果がはっきりとした形になったときって、嬉しくてそれまでの苦労が吹っ飛ぶもの」
「そうだな」
メノリもしみじみとうなずいた。
「じゃ、これからもがんばっていこー!」
乾杯!と、三つのグラスが同時に上がった。
女の子が三人も集まって、出てくるのが仕事の話だけってどういうことやねん。
ちゃっかり参加していたチャコがひっそりとそうこぼしたとかこぼさなかったとか。
027 幸福
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この間男子の飲み会を書いたので、今度は女子会で。
どっかに集まったのか、通信画面で顔を見ながらそれぞれの自宅で飲んでいるのかは、ご想像におまかせってことで。
それにしても、どっちの会も色気のあるものじゃありませんでしたね。
まあ、私の書く話だから……。