ここもロクの小屋
TOPページができあがらないから
とりあえず小話を増やそうかなと思ったわけですが、あまりにも長くサイトを放置していたので、小話の書き方も忘れてしまいました。
ので、とりあえずのとりあえずで、量をこなそうと思います。
お題配布サイトの「ロメア」(あいだ様)から、漢字100題をお借りしてきました。
100も書けばそれなりに思い出すだろうし、それだけ増えればサヴァイヴサーチに登録しても恥ずかしくないだろうというわけで。
一日一題と言いたいところですが、そんなしばりにしたら絶対途中で放り出すので、1週間で5話、1ヶ月20話として、5ヶ月で100題制覇を目標にしたいと思います。あくまで目標。
ついでにジャンルもサヴァイヴとは限らずにやってみようかな~と。
さらに発表もブログ上でやっちゃおうかなと。
いちいちアップロードするのめんどくさ…いやいや、ほら、手早く出来る方が長続きすると思うので。
えらいぞとかがんばれとか思っていただけたなら拍手ボタン押してください。と励みになります。んなことやってないでさっさとサイト本体をどうにかしろと、自分でもそう思うのですが、飽きっぽいのでなんか新しいことやりたかったんですよ。
では、とりあえず一つ目です。
001 本
放課後の教室でカオルが真剣な顔でページをめくっていたので、思わず興味をひかれてのぞき込んだ。
「何を読んでいるの?」
邪魔をするのは悪いなと思ったのは声をかけてしまった後だった。でも顔を上げたカオルがいつものようにまなざしで迎えてくれたので、ルナはほっと息をついた。
そうしてカオルが示してくれた本の表紙に目を落とす。
「『リーダーシップマニュアル』?」
どこかで聞いたタイトルだと首をかしげると、カオルは本を開き直し、さっきまで読んでいたのであろうページまでめくりながら、メノリに借りたのだと言った。
そういえばそのタイトルはメノリの口から聞いたのだったと、思い出して、ルナはもう一度首をかしげた。どうしてカオルはこれを借りたのだろう。
「昔、知り合いが持っているのを見たことがあるんだ」
唐突なカオルの言葉に、ルナは三度首をかしげかけて赤面した。それが自分の疑問に対する答えだと気づいたのだ。そんなにわかりやすく顔に出ていたのだろうか。
「それ、面白い?」
ほてった頬に手をあてながらルナは尋ねた。もう少し気の利いたことを言いたかったけれど、のぼせた頭では思いつかない。
「そうだな」
カオルの答えは短かった。けれど、本に向けられた視線の強さで、それがおざなりな回答ではないことがわかる。カオルはこの本にとても強い興味があるのだ。
「じゃあ、私も読んでみようかな」
そんなにもカオルの心をとらえるものに、興味があった。メノリの口からタイトルを聞いたときには感じなかった好奇心のまま、するりとルナの口から滑り出した言葉に、けれどカオルは首をふった。
「ルナには必要ないだろう」
「どうして?」
即座の否定に悔しくなってルナは口をとがらせたが、カオルはルナをなだめるでもなく、ただ薄く口の端を上げた。
「『リーダーシップマニュアル』、だぞ?」
普段のカオルの口調よりもずっとゆっくり告げられたそのタイトルは、少しばかり奇妙な抑揚がついていた。ただそれが、リーダーシップを強めたものなのか、それともマニュアルを強調したのか、ルナにはわからなかった。わからなかったので、ルナの機嫌は良くはならなかった。
「なあに、それ。私はリーダーじゃないから必要ないってこと?」
思い切り頬をふくらませたルナに、カオルは笑みを深くしただけで、それ以上は答えてくれなかった。
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リーダーシップマニュアルを持っていたカオルの知り合いとはルイのことで、ルイがどうしてそれを持っていたのかは、別の小話で書きました。
が、別にそれが私の中で公式設定というわけではなく、そういうのも面白いかもねという「もしも」小話その1だとお考えくださいませ。