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ここもロクの小屋

更新がない日のつぶやきとか備忘録
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52個目 

今日はバイオリンのレッスンがありました。帰りにデパートの化粧品売り場によって、肌チェックとか化粧水のお試しとかやってきました。そしてさらに帰り道でケーキを買いに行きました。
とっても女子っぽい休日だわ~(??)

 

化粧品売り場で、すっごくキメ細かくて理想に近いですって褒められたので今日は浮かれているのです。

 

さて、乙女度強化月間は3作目。遙か3の譲望。

 


『たぶん……わからないと思いますよ』
 京邸の庭で譲くんに言われた言葉を今さら、本当に今さら思い出して、私は恥ずかしさで暴れ出したいくらいで、でもそれができなくてテーブルに突っ伏した。私の好物が所狭しと並べられたテーブルに。
『わからない方がどうかしてるわ』
 朔に言われた言葉も浮かんでくる。本当にわからないの?と笑みを含んだ顔で尋ねられたことも。
「先輩? どうかしましたか?」
 譲くんの声に顔をあげると、譲くんはグラスを手に立っていた。それが最後の荷物だったみたいで、譲くんはそれをテーブルにセットすると私の向かいに座った。
「具合でも悪いんですか?」
 そう言って私の額に手を伸ばしてくる譲くんの顔を見ていると、心の底からその通りだなと朔の言葉にうなずきたくなった。
 本当に、わからない方がどうかしている。
「熱は、ないみたいですけど……」
「ううん! 大丈夫!」
 譲くんの声が曇ってきたこと気づいて慌てて首を振る。顔が赤くなっているから、余計に心配をかけてしまったんだろう。譲くんはそれでも心配そうに、食べられないなら無理しないでくださいなんて言ってくれた。
 でも、そんなの、とんでもないことだ。
 せっかく譲くんが私のために作ってくれた料理を食べないなんてありえない。
「本当に大丈夫だよ。ありがとう。私の好きなものばかりだね」
 演技とか無理とかじゃなくて、にっこり笑ってみせると、譲くんの顔も柔らかくなった。
「先輩の口に合うといいんですけど」
「譲くんのごはんが合わなかったことなんてないよ」
 本当に、譲くんは私のことをよくわかってくれているんだなと思って、またさっき考えていたことが戻ってきて、私はまたテーブルに突っ伏したくなった。
「先輩? 本当に大丈夫ですか?」
 自分では見えないけれど、きっと私の顔は真っ赤になっているんだろう。譲くんの顔がまた曇ってしまった。それどころか、険しくなってしまったのは、私が無理をしているなら止めないととでも思っているんだろう。これは、大丈夫って笑っても、許してもらえないかもしれない。
 それに、ちゃんと言った方がいいかなあとも思ったので、私は心を決めて口を開いた。
「あのね、前にね」
 顔はさらに熱くなるし、心臓はうるさくなるし、テーブルに突っ伏するどころか走って逃げたいくらいだったけど、がんばって口を動かす。譲くんは何か言いたそうにしているけれど、私の話を邪魔しないで聞いてくれている。
「わからないと思いますよって言ったことあるでしょ?」
 何のことかすぐには思い当たらなかったらしくて、譲くんの視線が泳いだけど、でもかえって助かった。じっと目を見つめたままじゃ言えないかもしれない。
「その、『譲くんの好きなもの』を、私は多分わからないって」
 いつのことか思い出した譲くんの視線が戻ってきてしまった。私は大きく息を吐き出して、ちょっとでも自分を落ち着かせようと精一杯の努力をしつつ、話を続ける。
「あれ、ね。ちゃんとわかったよ」

 

『私』のことだよね?

 

 そこはしっかりと譲くんと目を合わせて言った。
 譲くんの目が眼鏡の奥で何度か瞬いた。譲くんの口が少し動いたけど、でも何も言わなかった。そのまま譲くんは横を向いて眼鏡を直した。眼鏡を直した手がそのまま口元で止まる。横を向いているから形のいい耳が見えたけど、それは赤くなっていた。今の私の顔とどっちの方が赤いだろう。
「……そうですよ」
 しばらくして返ってきた一言。
 横を向いたままだったけど、言い終わると譲くんはゆっくりこっちに向き直ってくれた。
「でも、どうしたんです? いきなり」
「いきなりなんだけど、でも、なんか言いたくなったの」
 言い終えてほっとしたのか、心臓の早さもいつも通りに戻ってきたので、私はちょっと落ち着いて笑うことができた。
「ちゃんとわかって、良かったなって思って」
「そうですね。わかってもらえて、良かったです」
 横を向かずに眼鏡を直して、譲くんも笑ってくれた。

 

「でも、譲くんは私の好きなものいっぱい知ってるよね。私ももっとたくさん知りたいな」
 譲くんのごはんを二人で食べる。いつもどおりどれも私の口にちゃんと合っていて、私は少し悔しくなる。
「そうですか? 先輩にわかるかな」
 そう言って笑う譲くんが余裕たっぷりに見えて、ますます悔しい。
「とりあえず一つはわかるんだけどな」
「何です?」
「将臣くん」
「…………………否定はしませんが…………」
 できればもっと別のものにしてくださいと言った譲くんの顔がちょっと崩れたので、私は思わず笑ってしまった。
 もっともっとたくさんわかるように、がんばるからね。譲くん。

 

052 謎

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 それはまあ……長い付き合いですからだいたい想像はつきます
 そうなんだ私は譲くんの好きなものわかってるかなあ?
 先輩は、わからないと思いますよ
 うーん、なんだか悔しいな
 よし、私も譲くんの好きなもの調べよう
 お好きにどうぞ ですが、たぶん……
 わからないと思いますよ

 

ていうあの会話から。
すでにつきあい始めている二人という設定のバカップル。
譲が幸せになる話。
女の子月間じゃなかったのかって?
だって、あの二人の場合、譲の方が乙女でしょ?(笑
 

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