ここもロクの小屋
20個目
とりあえず到達~。
100題を始めたのが6月23日だったので、一ヶ月で20個というノルマは達成できませんでしたが、まあまあのペースじゃないかなと思っています。
質より量なのは、今に始まった事じゃないしね(開き直り)。
拍手ぱちぱちしてくださった方、ありがとうございます。
感想など添えていただけるとわたしがはりきります。
途中でへこたれないように、また応援よろしくお願いします。
20個目だからといって大作というわけではありません。いつも通りです。
うつむいて背を丸めて、自分のつま先ばかり見ていた。
誰かと話すときも人の顔なんて見られなかった。
第一、俺に話しかける人は決まっていて、用件も俺の答えなんていらないものばかりだったから、俺が顔を上げる必要なんてなかった。
「あなたたち、靴くらい自分で磨きなさいよ」
だから惹かれたのかもしれない。まっすぐで、何を言われてもひるむことの無かったその瞳に。揺らぐことのないその光に。
でも、それはルナだけが持っていたものじゃなかった。
いつも堂々としているメノリ。強いカオル。シンゴは年下なのにとてもしっかりしていた。ハワードだって俺からすればうらやましかった。自分の気持ちをいつだってはっきり口にすることができるから。それは俺にはできないことだ。
みんながみんな俺より立派に見えた。俺もこのままじゃいけないんだってそう思えた。俺が強くなれたのは、みんなが俺をひっぱっていってくれたからだと思う。
でも一人だけ、俺より弱いと思える子がいた。
俺ほどじゃなかったけれど、うつむいていることが多くて、おびえている姿も泣いているところもたくさん見た。
だから、かばってあげなくちゃいけないとずっと思っていた。彼女は俺よりも弱いんだからと。
それが俺の思い上がりだってことに、俺は長い間気づくことができなかった。
彼女が俺よりも弱かったとしても、それはほんの一時のことだった。彼女は俺よりもずっと芯の強い、しっかりとした人だ。
結局一番弱かったのは俺で、それは今も同じなんだろうと思う。
でもそれは、けっして不快な感情じゃなかった。
シャアラ。俺は君に一生勝てないだろう。でもそれでいいと、俺は思ってるよ。
020 瞳
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ベルがシャアラの瞳の強さに気づいたところをちゃんと書こうぜと自分ツッコミ。
でもでもね、ルナのときみたいに劇的な瞬間ってのがあったわけじゃないと思うの。雪が降り積もるようにどんどんベルの中に残っていったんだと思うの。だからこれでいいのだ(?)