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ここもロクの小屋

更新がない日のつぶやきとか備忘録
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寝るだけ 

 今日もシルバーは元気でした。
 いいねえ、あんなふうに愉快な毎日を過ごしたいねえ。

 

 今日も一日ベッドの上でした。
 頭痛いー体が重いーとかそんなことばっかり言っててダメダメです。シルバーを見習うとかどの口が言っているのか。
 まずは食べないとな。
 シルバーはお料理上手だそうなので、作りに来て欲しいです。ついでにその元気分けて……。

 

 とりあえず19個目は書きました。


「ねえ、タコはさ。千年も一人でここにいたんだよね」
 シンゴはコンソールに置いた手を止めずに言った。
「――さびしくなかった?」
 遠慮がちに、視線もタコに向けずになされた問いに、タコはつぶらな瞳をくるりと回した。
「そうですねえ~」
 作業の手を止めて腕をくねくねと動かすその姿は、愛嬌があると言えばいいのか、気味が悪いと言うべきか微妙なところだ。
「ワタシはロボットですから、さびしいという感情はありません」
「そうなの!?」
 驚いたシンゴの手が止まった。タコは表情も動きも豊かで、口もよく動く。例えば、サヴァイヴに心が無いと言われれば、そうかとすんなり納得出来るが、タコやチャコの場合は信じがたい。
 もちろん機械に詳しいシンゴは、タコやチャコの内部の構造も理解しているのだけど、感情プログラムの仕組みも知っているのだけど、それでも二人はやっぱりシンゴにとって「二体」ではなく「二人」だった。
 そんなシンゴの心情を知ってか知らでか、タコは文字通りタコのようにつかみどころのない口調で続けた。
「ええ。与えられた仕事をただこなすだけです。待っていろと言われたのでただひたすら待っていました」
「そうなんだ」
 シンゴはやや気落ちしてうなずいた。どうして気落ちしているのか自分でもよくわからないままに。
 さびしかったという答えが返ってきたらどうするのか、決めていたわけではなかった。ただ、ふと自分だったらと思ったら、尋ねずにはいれらなくなったのだ。
 自分は一人じゃない。仲間がいる。この星で過ごした時間もまだ1年にも満たない。それでも家族と離れていることがさびしくてたまらない。そんな自分がタコの立場におかれたら、きっと耐えられないだろうと思ったら。
「ですが」
 タコはシンゴの方へ顔を向けて、小さな目を細めた。
「みなさんの姿を見つけたときは、一気に体の動きが良くなりました。全ての調子が上がって、今は絶好調です」
 仕事を再開したタコは猛スピードで作業をこなしながら言った。
「ワタシは今とても楽しいです。ワタシは一人でも平気ですが、やはり誰かが一緒にいてくださる方が、好きですね」
「……そっか!」
 答えたシンゴの声は明るく、二人は順調に仕事を済ませていった。

 

019 人間

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こんなお題どうすればいいねんと思ってたらなんかタコの話になりました。
タコから見た人間とは~みたいな話にするつもりだったのですが、全然違うものになりました。

まあいつものことです。

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