ここもロクの小屋
二人乗り自転車
愛用バトンで、谷川史子さんのマンガに二人乗り自転車が出てるのがあると書いたのですが、この前たまたま、二人乗り自転車が使われているラジオドラマを聞きました。
主人公は大学三回生の女の子。そろそろ就職活動を始める時期だが、夏に遊びすぎてふところが寂しいのでバイトをしている。バイト先へ向かうには急勾配の坂を登らなければならない。その坂はあまりに急なので、自転車で止まらずに一気に登り切れば願いがかなうと噂になっている。主人公も就職活動の成功をかけてバイトには自転車で通っている。
ある日、一つ年上で一流企業に就職の決まった幼なじみが、二人乗り用の自転車に乗って彼女を誘う。二人ならあの坂を登り切れるはず。そうして二人で願いを叶えよう。
二人での挑戦は見事成功。これでお前の就職活動はうまくいくと言ってくれた幼なじみに主人公も言います。あなたの願いもかなうよと。そこで幼なじみの彼が自分の願いを明かします。
「じゃあ俺たちつきあわないとな。――これで俺の子供の頃からの夢がかなうよ」と。
うわー。ベタだー。ベタだけど、実にいい。こういうのはやっぱり安直なくらいベタなほうがいいよなー。
車の中で一人萌え萌えしていたところにエピローグが入りました。主人公が語ります。
「――私の願い(就職活動がうまくいきますように)もかなった。でもまさか、私の就職先が彼のお嫁さんになること、だなんて」
え!? 若いんだから働けよ!
って反射的に突っ込んで一気に興ざめ。まさか彼が一流企業に就職って伏線のつもりなのか!?
でも、次の瞬間、興ざめした自分が悲しくなりました。「好きな人のお嫁さん」を単純にハッピーエンドで受け取れなくなったら、もう若くはないよね……。
でもでも、言い訳しますけど、興ざめした一番の理由は彼女が安直にお嫁入りしたことじゃなくて、EDが限定されてしまったことにあるんですよ。
彼の言葉で終わっていれば、極端な話「彼女が彼をふってしまう」というEDだってあり得るわけです。うまくいくにしても、いつ結婚するかとか、または結婚までいくのかどうかはわからないわけで。そんなふうに、この先は「あなたの心の中に……」(笑)ってしてくれた方がよかったなと思ったんですよ。
そんな彼女の卒業と同時に結婚とか、そこまで限定してくれなくてもよかったのにー。というのが一番の不満。
やっぱり私の萌えの元は、「妄想」にあるんだなーと改めて実感。
サヴァイヴにここまではまったのも、彼らの未来があまり限定されていなかったからなんだなと。
ああよかった。誰かの結婚式の写真とか出てこなくて。そんなの見ていたら、こんなに小話書いてないよ。
スタッフの皆様ありがとう!
あれ、二人乗り自転車、関係ない話になったな。