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メモメモ 

 ここ2週間くらいの読書リスト。
 2週間といっても、先週はほとんど読めていないので、先々週の読書リストかな。

 


 

『牡丹の眠姫』『風の娘』 紗々亜璃須

 『沈丁花の少女』の続き。妖狐と仙女見習いの少女の因縁と対決のお話。
 少女の正体は、やっぱり予想通りだけど、予想よりちょっとややこしいことになっていた。その後どうしたのかちょっと気になるんだけど、もう続きはないのかな?
 それから、講談社X文庫ならロマンスがあるはずという予想の方は裏切られてた(笑)。なかったわけじゃないけど、あんなあっさりだとは拍子抜け。もっとロマンスしてほしかったなー。なかなか萌えカップルだったのに。楊戩と主人公の正体さん。

 

『天空の剣』 喜多みどり

 前回、一段落したからもういいかと言っていたシリーズと同じ世界を舞台にした話。
 時間軸は前に呼んだものより昔で、書かれたのもこっちが先。でも、これを読まなくても『西風の皇子』は読めるし、実際『西風の皇子』→『天空の剣』の流れで読んだ方が、気持ちいいかなと思った。
 西風に比べると、こっちの主人公(女性剣士)の方が痛い思いをするし、テーマもかなり重い。でも読後感はすっきりだし、ロマンスもあるし、面白かった。
 ただ、主人公はすっきりでも、西風と合わせて読んでしまうと、脇のことが気になるので、これ一冊で終わりっていうわけにはいかないかも。

 

『闇色の少年王』『半神の女剣士』 喜多みどり

 そんなわけで、西風の皇子シリーズ続き。
 主人公の成長ぶりと、初恋の進み具合が可愛いので、その後も読もうと思います。
 一巻の印象より、話がどんどん大きくなっていくのにはちょっと驚いた。ちゃんと決着つくのかなこれ。あと何巻あるんだろ。
 半神の方では、天空のときの主人公カプが再登場。女剣士さんが、いまひとつ成長していないのが不満でしたが、今後も出るようなので今後に期待かな。

 

『風味絶佳』 山田詠美
 連作短編集。一つ一つの話につながりはありません。
 色んな人の身勝手の形が書いてあるという印象。身勝手といっても、読んでいて不快なものとは限りませんけど。身勝手というか、生きる基準というか、結局人間自分基準でしか生きられませんので、その基準が他の人と関わったときに相手を傷つけるかどうかで、それが身勝手になるのかどうかが決まるのでしょう。
 とても色々な「風味」がそろっているので、飽きません。
 それにしても、一番最初の話の男(手を出した女の子に子供ができたら捨てた)よりも、一番最後の話の女の子(主人公の思い人だったけど、主人公の父親と結婚)の方が、読んでいて不快だったのは自分でも意外。
 最後の話は完全に主人公に気持ちが同調してました。

 

『沼地のある森を抜けて』 梨木香歩

 ファンタジーだとか、ホラーだとか、最初に言われていれば幽霊だの魔法だのが出てきても動揺しませんが、ごく普通の現実の話かと思っていたら、非現実がまぎれこんでくるという形は、往々にして消化不良になります。これも、そこまで行くか!?ってくらい不可思議なことが起こるのでびっくりでしたが、この人の本は以前に『からくりからくさ』を読んでいたので、今回はそれなりに消化できました。この本が最初だったらダメだったかも。

 ただ、不思議だけどまあありだな、と思いはしましたが、じゃあこの話をどう読んだらいいのかというとこまでは到達できませんでした。『からくりからくさ』もそうだったけど、梨木さんは私には合わないのかなあ。何をどう受け止めればいいのか、私の方に準備がないようです。
 またもう少し時間をおいてから、からくりもこの本も読み直すといいのかも

 

『ヴェサリウスの柩』 麻見和史

 第16回鮎川哲也賞受賞作
 だそうですが、鮎川哲也賞って、どんな賞なのか知りませんでした。巻末の講評を読んでみるとミステリの賞らしいです。

 でもこの話はミステリというより、サスペンスドラマみたいでした。謎解き要素はほとんどない。事件が起こるので謎はありますけど、それが解き明かされる過程は、謎を解いたんじゃなくて時がきたから自然とわかったとう雰囲気。
 解剖学教室を舞台にした事件ということで、気味が悪いというと語弊があるかもしれませんが、独特の雰囲気がありますし、犯人の男の変人ぶりも興味深く読めました。欠点は、探偵役側に魅力がないってことでしょうか。主人公の女性のトラウマとか、あれは必要だったのか疑問。主人公より積極的に謎解きに関わる男もうすっぺら。なんでそんなに熱心なのかとか、よくわからないし。その薄さが魅力につながるかといえばそうでもないし。
 事件の出だしは面白かったけど、つかみだけがよくてもなあ、と思いました。

 

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