ここもロクの小屋
スカーレット・ピンパーネル 月組 3回目
月組のみなさま千秋楽おめでとう!
でもこれは5月9日の母の日スペシャルの感想です。楽映像は明日ニュースで見ます。
さてさて、9日ですが、最初見たときより、良くなってるな~と感じました。
勢いが増しているような。一回目の時は、それぞれの役をこなすのに精一杯な雰囲気がどことなく漂っていましたが、今では一人一人がちゃんとスカピンの世界で生きている感じ。
マイクの音量が上がってるのかも?? 私が3回も見ているうちに月組さんになじんできたのかも?? という可能性もありますが、でもやっぱり良くなってるんだと思います。
千秋楽は盛り上がったでしょうね~~。
東京公演でもがんがん盛り上がっていくんだろうなあ。本当に見られる人がうらやましいです。
とはいえ、どうしてもお行儀の良い印象がありますね。そこが月組さんのいいところなのかもしれませんが。
最初の場面、民衆のマダムギロチン。星組の時は舞台の枠に収まりきらないエネルギーに圧倒されたものですが、月組さんはそこまでじゃないような。カサブランカで宙組さんのコーラスにもすごいと思わされた記憶と比較しても、大人しいように思えます。月組さんはエリザベートのときも、こじんまりしてるなあと思ったのでやっぱりそれが組カラーなのかな。爆発力より、きっちりまとめてくるというかんじ? 勢いでごまかさない芝居巧者というべきか?
一回目のときより二回目、二回目より三回目の方が迫力があるなと感じたので、まだまだこれからなのかもしれません。
そう、勢いは増してますよね?
オープニングのデュハースト、しぃ様が戻ってきたのかと思った(笑) 初めて見たときよりセリフに力入ってました。その後もしぃ様度は高くなり続け。声が似てるようにも思うので、よけいに。力入ってる分、ピンパーネル団の中でも目立つようになってたので、よかったと思います。単に私が顔を覚えただけ、じゃない、と思う。
勢いといえば、サンシール侯爵も一回目はわりとあっさり処刑されてたのに、今回は迫力ありました! 無念だーって伝わってきた。
ピンパーネル団の他のメンバーもお芝居がはっきりしてきていて、いい感じ。小芝居色々やっていて、誰を追ったらいいのか目が足りないくらい。ただ、力入りすぎなのか、二回目の炎の中へを歌うとき、やや音が不安定になっちゃってましたが。そんなとこまで星組に似なくても(笑)
きりやんは今回もいい調子。二回目の時に、のどの調子悪いのかな?って思ったのですが、今日は大丈夫でした。あれだけ歌うんだもん、絶好調であり続けるのは大変でしょうね。
やっぱりいいなと思うのは「目の前の君」です! きりやんパーシーのナンバー1ソングは絶対にこれだと思う。この曲は「喜びの歌」なんですね~。マルグリットに裏切られたわけでないとわかった喜び、愛を取り戻した幸せが全身から光となってあふれ出してる。
きりやんがまぶしい! お芝居の感動とは別に、ああ、きりやんはこういう光を持ったスターなんだという意味でも心が震えます。
まりもちゃんは声がきれい。あすかちゃんが上質のベルベットだとしたら、まりもちゃんは陶器かなあ。それも薄いティーカップ。はじくといい音がするような。まーっすぐ伸びていきますよね。
そのぶん、フランス一の女優という貫禄はあすかちゃんより薄くなってしまうんだけど、でも革命の女闘志だったというまっすぐな強さは強調されるように思います。パーシーを支えられるだけの強さがあるなーと、充分一緒に戦えるんだろうなと自然に思えます。
本日はまさヴランだったのですが、龍さんののどの調子は9日の時点でだいぶ良くなっていたみたいです。調整しながら歌ってるという感じがほぼなくなってた。やっぱりショーヴランは声がでかいほうが気持ちがいいですね。
ただ、歌がよく響いていたにもかかわらず、前回の方がよかったと思ってしまいました。声は出てるんだけど、迫力はあるんだけど、でも前回見たときの鬱屈したエネルギーのうねりというものが薄くなってたように思う。やりたいようにできないというもどかしさが上手くショーヴランと重なって、凄味になってたんだと思うのですが、調子が上がった分その暗いエネルギーは発散されてしまったようですね……。
あの暗さにパワーが加わったら、まさヴランこそがナンバーワンだ!と思っていただけに残念。
悪いわけでは絶対にないです。今回が初見だったら絶賛してたと思う。
母の日スペシャルだったので、衣装アドリブは「カーネーションのひらひらドレス」
まあここまでは予想通りなのですが、パーシーはこれでは終わらなかった。結構ですと断るショーヴランに「じゃあ君のそのたすきに『おかあさんありがとう』って書くのは?」「オーダーメイドですか?」「そうだよ~ん」でパーシー退場。
きりやん!! 絶好調ですね。
絶好調はプリンスも。
登場した瞬間に「ん?」って思ったのですが、パーシーも当然気づきました。「殿下そのカーネーションかわいいv」 プリンスってば頭にカーネーションつけてたんですよ。
登場時のやりとりも「ママは元気か?」「はいママは元気です」「そうかママは大事にしなければいけないぞ」と母の日スペシャル。
退場時には「殿下そのカーネーションママにあげるの?」「あ、ああそうだよママにあげるんだよ」と言ってました。ビバ母の日スペシャル。
今回は二階席左のはじという席だったので、今まで見えなかったところも色々見えました。
一幕最初のコメディフランセーズの場面、マルグリットが歌ってるとき、貴賓席の陰で支配人はちゃんとお芝居してるんですね~。体揺らしながら歌を聴いてました。退場してるんだと思っていました。
洗濯女のお着替えは丸見えでした。そっかーああして着替えてるんだとついまじまじと。ただその分、デイドリーム号はなにやらよくわからない物体と化してましたが。初見だったら、船だってすぐにはわからなかったかも。
二幕のコメディフランセーズの場面では、歌うマルグリットのちょうど正面という位置取りだったので、とっても気持ちよかった! 客席にひそんでいるピンパーネル団も全員みつけられました。
何回見ても見るべきところがたくさんあって、飽きなかった~。結局3回どまりだったのがもったいないくらい。いつもは各公演一回未満だから、三回でも充分多いはずなんですがね。
DVDは6月25日発売!
わくわくしながら待とうと思います。