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スカーレット・ピンパーネル 月組 2回目 

 5月2日に二回目のスカピン観劇。今度は一階席だけど、右の端っこ。端っこも音響の面ではあまりよろしくない……が、楽しんできました。
 午後公演のせいか、序盤はなんだか皆さまお疲れなのかしら?と思ったけど、2幕からは大丈夫でした。今日はこれで終わりだしがんばろー!って気合いいれたのかな。
 ジェンヌさんってほんとタフじゃないと務まらないよね、この過酷な公演スケジュール。夢の世界を維持するために彼女達がどれほどの努力を重ねているのかと思うと、もう尊敬するしかないわ~。

 

 一回目のときは、スカピンだ!!という興奮でいっぱいでしたが、今回はわりと冷静に見ていたので、星組さんとの違いとかいろいろ考えてしまいました。
 でも、違うからってわるいということではなく、月組版もいいな~と思いました。


 

 霧矢さんのパーシーは、安蘭さんのパーシーに比べると若い印象がある。
 若いっていうと語弊があるか。なんだろう、やっぱりお披露目公演だからかな、颯爽という言葉がよく似合う。パーシーはリーダーなのに一番現場に行って自分で動くって、霧矢さんも言ってたけど、その「よく動く」面が前に出ている感じ。安蘭さんは、「リーダー」という貫禄とか威厳が前に出ていたように思うな。
 安蘭さんが颯爽としていないということではないけど。
 パーシーは颯爽としていてリーダーとしての威厳もあって正義感あふれる好青年であるのは、二人とも一緒。ただ、シーソーの傾きがどっち側にいっているかのさじ加減が違うんだと思います。
 同じ役を演じても、人によって違いが出るのが、再演を見るおもしろさの一つですね。

 

 そんな違いを特に感じたのが、「目の前の君」を歌っているところ。安蘭さんは、この愛を守るという「決意」を強く感じたけど、霧矢さんは愛を取り戻した「喜び」を先に感じました。すっごくうきうきしているように見える。嬉しい嬉しいって全身で言っている感じ。マルグリットが好きだーって全力で叫んでた(笑) そういうところに若さを感じるんだな。

 

 蒼乃さんのマルグリットは、やっぱりどこか遠野あすか版に似てるなと思います。目の前であすかさんがやっているのを見ていた上に新人公演までやっているから、似てしまうのは仕方ないのかもしれませんね。星組版大好きな私としては、むしろ似ている方が安心して見ていられるわけですが。似てるからダメとは全然思いません。
 それに、まったく同じってわけでもないし。蒼乃さんのマルグリットはやっぱり「若い」。パーシーが冷たくなったことに対して、苦悩よりとまどいが大きいんだと思いました。
 「新婚翌朝に狩りにでかけるなんて」とパーシーを責める場面も、すねてプリプリしているところが、いかにも新妻でかわゆいです。
 「馬鹿力~!」のシーンでも思いますけど、あすかさんのマルグリットよりおてんばな感じがありますよね。 

 

 そんな二人のラストシーンは、初々しさが弾けていて、めちゃめちゃかわいい! とうあすのできあがっている超ラブラブぶりも大好きですが、新婚いちゃいちゃな月組トップコンビもいい。ラストはもうにやにやが止まりません。

 

 ショーヴランは龍さんでした。
 やっぱりのどの調子はまだ良くないようでしたが、その分内にこもった暗い情念がメラメラ燃えているのが見えて、凄味のあるショーヴランでした。怖い。
 柚希さんのショーヴランを見慣れている身としては、やっぱりここで声量が欲しいと思ってしまうところもありましたが、そこは東京公演で見せてくれるのでしょう。……私は行けないけど……。完全版が見られる人がうらやましー。

 

 ピンパーネル団は、月組の方が歌がうまい(笑)。
 ただ、私は月組さんはあまりわからないので、正直区別がつきません。フォークスとデュハーストですら怪しい。今回は席が後ろの方だったから余計に。
 ただ、恋人達の庭で、アンドリューとシュザンヌが「うふふあはは」って出てくるところはとっても可愛かったです。一回目のときはちょっとびっくりしたけど。
 あ、あと、舞踏会のハデハデコートが、星のときよりさらにドハデになっていますよね。あれは彼女に振られるレベル(笑)だと思いますが、社交界の花形であるパーシーがアレだから大丈夫なんですかね。

 

 恋人のお嬢さんたちが、ピンパーネルの正体について色々言っている場面は、星組版では大好きでした。実はスカピンで一番好きなのが、あのシーンだと言えるくらいに。
 でも今回はときめかない。なんでなのか自分でもよく分かりません。星版が好きすぎるからなのかなあ。

 

 星組と違うと言えばロベスピエールもそうですね。一番違うなと思ったのは、ショーヴランに「名もない靴屋を送り込んだ」と言われて「熱心な私の崇拝者だ」というところ。
 星版だと、名もない靴屋を信用して使うしかないほど追い詰められたロベスピエールという感じ。ロベスピエールの孤独や焦燥感が感じられて、もう革命政府がダメになってきているんだということがよく分かるシーンでした。ショーヴランですら、ロベスピエールは信頼していない。
 月組のロベスピエールはそれに比べると超余裕。名もない靴屋すら私の崇拝者なのだよすごいだろう、という感じですかね。星組と全然解釈が違うわけですが、これはこれで面白いと思います。この余裕綽々なロベスピエールをピンパーネルが出し抜くわけですから、ラストの痛快さがより増しますよね。
 星版の人間くさいロベスピエールも好きですが、月組の徹底したかたき役のロベスピエールも好きです。

 

 好きと言えば、殿下~!!
 プリンスの出番少ないのがすごく寂しく思えるくらいサイコーです。
 今回はY字バランスを見せてくださいました。

 

 スカピンはあと一回見にいく予定なのですが、そのときに達成したいのが「ここでもそこでも」の歌詞の全聴き取り。
 どうしてもわからないところがあと一カ所だけあるんです!

 

 「殿下ともあろうお方がなさけない」の直後のバックコーラス。

 

 パーシーが「本当の顔かくしまぎれるぞ」と歌ってる後ろで何言ってるんでしょう。
 後半は、一緒に「かくしまぎれるぞ」って言ってる気がするんですが、「本当の顔」の後ろで何を言ってるのかわからない~~~。
 どなたかわかる人いらっしゃいませんか???

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