ここもロクの小屋
更新がない日のつぶやきとか備忘録
秋の日のヴィオロンの
今日定年間近のおじさまと世間話をいたしました。
「まだまだ暑いですね。でもやっぱり朝晩は冷えるようになりましたね」
世間話は気候のことから。セオリー通りにそう言った私におじさまが返して下さった言葉は。
「うらがなしやからな」
でした。
とっさになんのことやら頭の中が「?」でいっぱいになったのですが、これは私が鈍いからではないと思いたい。
これはつまりかの有名なヴェルレーヌの詩「落葉」の一節を持ち出されたのですよ。「秋の日の……身にしみてうらがなし」っていうところを使って、つまりは「秋だからね」と言いたかったのですね。
数秒後にそれに思い至ったのですが、会話は先に進んでいたので、「ヴェルレーヌですね」と言ってあげられませんでした。ごめんなさい、気の利いた反応ができなくて。
数秒後とはいえそれに気付けた私の教養もたいしたものでしょう?と自慢したいところですが、私がこの詩を知っているのは赤石路代さんの『P.A.』読んでいたからなので、おじさまの本物の教養とは比べものにはなりません(笑)。
ヴェルレーヌといえばもう一つよく知られている詩があって「ちまたに雨のふるごとく」というフレーズが出てくるのですが、私がこれを知っているのは「ガンダムX」を見ていたからです。
おたく知識でも教養と似たものが身に付くことも、ままある、と。
本物の教養を目指すべく、ヴェルレーヌの詩集でも読もうかしら。うらがなしの秋、だしね。
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