ここもロクの小屋
シャアラ負けちゃだめ(サヴァイヴ)
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「まってくれよ~」
後ろから聞こえるハワードの情けない要請に応えることなく、メノリは先にシャトルにたどり着いた。見捨てるつもりはないが、そこまで面倒をみてやる気もまたない。
「どうだった? 水は?」
「駄目だ。何もなかった」
シャトルの上から滑り降りてきたシンゴと、互いの状況を報告し合う。が、どちらも成果と言えるほどのものはなく、メノリは難しい顔で考え込んだ。
他の4人は何か見つけただろうか。最悪、食料が駄目でも水は欲しい。水がなければ明日にでも動けなくなる者がでるだろう。差詰め、つえにすがりついてふらふらしているあの問題児がその口だ。
悩ましい考え事の途中でふとしたことに気づき、メノリは考えを途中で止めて口を開いた。
「シンゴ、チャコはどうした?」
ルナのつれていた派手な色のロボットペット。騒々しい外見に違わず、言動もやたら陽気なその姿がシンゴの側に無い。一人でまだ通信機の修理を続けているのかと思ったのだが、シンゴの答えは違った。
「動けないんだ」
「動けない?」
メノリが眉を寄せると、シンゴも顔を曇らせて言葉を継いだ。
「エネルギーが少なくて動くのが辛そうなんだ。今はまだ大丈夫だけど、このままだと完全に停止してしまうよ」
「チャコは朝も食べなかったからな……」
一番に動けなくなるのはあの軟弱者ではなく、どうやらあのロボットペットのようだ。ロボットなのだから死ぬわけではないが、通信機の修理のめどが立たない今、人手が減るのは痛い。ルナ達が何か見つけていればいいのだが。
「あんなやつどうなったっていいじゃないか」
ようやく追いついてきたハワードが会話に加わった。いまだに杖代わりの棒を放さずに薄情なセリフを吐く。腰の曲がったその姿に、メノリは視線だけを向けて冷厳にこう言いはなった。
「お前よりは役に立つ」
――これはハワメノでシンメノだとか言ったらどこからか裏手パンチが飛んできそうですね。
「どこがやねん!」
って。
この頃はメノリ様に人のことを思いやる余裕がないのでロマンスは生まれませんな。
それはともかく、この後ハワードがメノリにかみついて、そのあとシンゴと掛け合いをやってという流れで一本書いて全話制覇に上げようかと思ったのですが、このシーンって余計な会話を捏造する隙が無いんですよね。
本編のアニメチェックしてもらえば分かるのですが、シンゴとメノリがお互いに駄目だったことを確認して、ハワードが追いついてきて、へとへとのハワードにメノリが「軟弱者め」って言ったところで、ルナ達が帰ってくるんです。
せめてそこでワンカット空でも海でも入れてくれればなー。
そんで「みんな遅いね」とか一言でも入れてくれればなー。
いくらでも会話を捏造したのに。
しょうがないので、別のネタでがんばります。