ここもロクの小屋
敬語と方言
「○○課長おられますか?」
「○○様来られました」
上の表現は私の周りでは普通に使われている敬語です。
私も別に違和感は感じません。
ところがこの表現を「おかしな敬語だ」と書いてあるコラムをとある雑誌でみつけてしまいました。
「おる」というのは謙譲語なのに、尊敬表現として使うのはおかしいというのです。「来る」にしても尊敬語に置き換えて使うべきではないかと。
「○○課長いらっしゃいますか?」
「○○様いらっしゃいました」
とするべきだというのですね。同じように「参る」も謙譲語なので、「参られた」としても敬うべき相手には使えないということになります。時代物の漫画や小説だとあふれてますけどね「参られる」。「神子殿が参られた」とか(笑)。
私の敬語は間違っていたんだーとやや落ち込んだのですが、この記事には続きがありました。その記事を書いた記者さんがビジネスマナーの取材で聞いた話というのがこれに続くのです。
なんと関西には「られ」を使って敬語にするという独特の作法があるので、「来られる」「おられる」は特に間違いというわけじゃないというのですよ。
私は関西育ちで現在も関西在住ですから、今まで通りでOKってことですね。ふう、やれやれ一安心です。
えーと、じゃあ、参られるにしても、京都が舞台の「遥か」なら問題ないってことになるんでしょうかね? 関西っていってもどの辺りまで通用するんでしょうか。
そういえば関西には「はる」という敬語表現もあります。
「○○さん来はった」
「先生が歩いてはる」
というぐあいに「はる」をつければ尊敬表現。仰々しくなく気軽に使えるので重宝する言葉です。
ただこれもどこまで通用するんでしょうか。よその地方出身のボスは私たちがこの「はる」を使っているのを聞くと嫌な顔をします。
それに「はる」は尊敬関係なく使う地域や場合もあるんですよね。
「蝶々さんが飛んではる」
とかって動物やもの相手に使うこともあるし。気軽に使えるけど案外一筋縄ではいかないのが「はる」という言葉だったりするのです。
同じ地域の人を相手にしているときは問題なくても、現代社会では身近にいる人の出身地も様々だし、電話で遠くの人と話すこともしょっちゅうだし、関西人だから関西敬語でOKとか安心しているわけにはいきませんね。敬語はやっぱり難しいです。
他の地域にも独特の敬語表現というのはあるんでしょうね。